電子制御とはなんでしょう?その前に制御という事を知っておかなければなりません。
制御とは、機械をより良く動かすための技術です。機械を動かす一つの例を見てみましょう。
今、自動車を運転している場合を考えてみましょう。平らな道を走っている時は、目標とするスピードになるようにアクセルを踏んでいますが、坂道になると平らな道を走っている時に比べてより大きくアクセルを踏まなければ同 じスピードになりません。逆に下り坂になるとスピードが上がってしまうので、アクセルを緩めたりブレーキを踏んだりしています。
これらの操作は、人間がスピードメータを見ながら目標に対して同じスピードになるようにアクセルやブレーキをコントロールしています。このように、機械をある目標にしたがって正確に操作することを制御と呼びます。
機械を制御するということは、車の運転と基本的に同じです。目標値に対して現在の状態をできるだけ近付けてやること。また、機械の状態を条件により変更することなどです。

【なぜ電子制御なのですか】
昔の機械では、目的の動作を実現するためにはカムやクランク、歯車などが組み合わされていました。江戸時代に製作された「お茶運び人形」はこれらの組合せのみで機械を動かしています。
ところが、機械部品の組合せだけで所定の動作を実現しても、その機械は与えられた機能しか持ちません。機械をより良く動かし、便利なものにするためには様々な状態で最適な動きをさせなければいけません。
そこで登場したのがマイクロコンピュータ(プロセッサ)です。このような半導体部品の進歩と共に、電子の力で機械をよりよく動かす技術が発達してきました。このような技術をメカトロニクス技術、電子の力で機械をよりよく制御することを電子制御と呼びます。
1. バランスの良い科目配分
電子制御工学科では、工学の三大分野である機械工学分野、電気・電子工学分野、制御工学・コンピュータ分野について、バランス良く学習し、広い視野を持った総合技術者を目指します。

2. 実験実習を重視したカリキュラム
専門科目は、講義と実験実習の比率が6:4であり、実験実習に重点をおいています。講義では各分野の基本的な理論や考え方を学び、実験実習では「ものづくり」に主眼を置いて技術体系を体験的に学習できます。
1年次から5年次にかけて、段階的に専門技術を習得します。

3. 総合実験実習(2002年度日本機械学会教育賞受賞)
4年次の総合実験実習では、総合技術者としての能力育成のため、無人搬送車の開発を主テーマとして、機構装置の設計・制作、制御回路・ソフトウエアの開発を一貫して行い、複合的な技術開発の基礎をバランス良く習得します。本カリキュラムは、機械工学・工業分野に関わる教育活動において顕著な業績をあげたとして2002年度日本機械学会教育賞を受賞しました。

4. 実務訓練(インターンシップ)
4年次の夏季休業中に約2週間、県内外の企業で実際の業務を体験しながら、現場の技術、工場の仕組み、働くことの大切さを学びます。
電子制御工学科の教育課程は、メカトロニクス技術を習得するために必要な技術分野から構成されています。多くの分野を学ばなければならないと思いますが、各分野において機械をよりよく動かすという目標に沿って厳選された科目を開講しています。